ちがさき丸ごと博物館

ショウロ(松露)

名称 ショウロ(松露) 別名
所在地 海岸線地域
概要 小学校に上がる前だったか、今から60年前になります。
曾祖母に台風が去った青空の広がる翌朝に海岸の松林によく連れて行かれました。
腰の曲がった曾祖母は驚くほど早い足取りで1.6km程の距離を歩いて行きました。
一中通りは舗装がされておらず、砂利道で轍が至るところにあります。
黒松が青々と茂る松林に入ると良い匂いが漂ってきます。
松の根元から立ち上る香りです。
小指大のラグビーボールのような形をした黒茶色をしたものがあります。
しょうろ(松露)です。
家に持ち帰ると、松露は吸い物として出て来ます。
匂いは良いが、食べた食感は松露そのものに味はなく、菓子のマシュマロ見たいな感触が残ります。
享和元年(1801年)、幕臣大田南畝がこの江戸屋に立ち寄り、ひしこ(カタクチイワシ)のなますと松露(キノコの一種)の吸い物を食べ、その印象を漢詩にして賞賛しています。
このように江戸時代に南湖茶屋町の脇本陣江戸屋で松露の吸い物が出たと言う記録が残るので、昔から匂いを楽しんだのでしょう。
『新編相模風土記抄』の茅ヶ崎村のところでも「此邊松露初茸を產し、又魚獵の利多し」と記載されています。
 本村で育った岸直久氏が『70年前のちがさき』〈平成3(1991)年6月29日〉の中で松露のことを書いています。(以下引用)
「又薪を燃やし安くする為松葉が使われていたので、台風後とか強い風の後に松林に行き松葉とりがされた。女性は大きな篭を背負い熊手を持つて、篭に山盛りに積んで来たものだ。当時海岸には砂防林が県有地であつて、誰でも落ち葉は取る事が出来た。
其の海岸の松林には松露(茸の一種)が春から夏に掛けて出ていた。松露は少し泥臭さがあつたが、砂糖煮にすると大変美味で、私は好きで数年前、或高級料亭で松露が出て、懐かしく当時を思い浮かべて食べたものだ。」p39

ここで岸久直氏が松葉とりのことを書いているが、この松葉取りを“くず掻き”と言っていました。
“くず”掻きには竹の大きな篭を背負い、(竹製の)熊手を持って行ったものです。
 物置には“くず(枯れた松葉)”が山のように蓄えられて、薪の種火として用いられました。
風呂を焚く時に石炭を使ったが、まず薪に火を付けるために“くず”が使われました。
松の枯れ葉は松の油があるので火力が強くよく燃えました。
松露が農作物として収穫されていた記録は市の資料にも残っています。

松露は松の根元が奇麗に掃除されていると、出て来ます。
柳島キャンプ場でも松露があったが人の立ち入りを禁止したために松露が消えたという話を聞いたことがあります。
人の手が入らず、根元が枯れた松葉が堆積したので生えてこなくなったのだと思います。
戦後の薪・石炭を家庭の熱源にしていた時は枯れた松葉は貴重な種火として集められ、手入れされた松林に松露が生えました。

自然のサイクルが回っていました。
今で言うサステ-ナブル(sustainable)(持続可能な循環型の)な状態が維持されていました。
最近、松露をバターで焼いて食べたという話を聞いた。自分が見て知っている松露より大きいものだったようでした。
上記に述べたのはあくまで、今から60年前本村の農家の子供が見た記憶をたぐり寄せたものであり、事実誤認もあると思います。
いろいろ教えていただけると有り難いです。                      [ちがさき丸ごとふるさと発見博物館(2016年8月23日 原) ]ショウロ(松露、Rhizopogon roseolus)は担子菌門のイグチ目ショウロ科に属する キノコの一種である。
子実体は歪んだ塊状をなし、ひげ根状の菌糸束が表面にまといつく。初めは白色であるが成熟に伴って次第に黄褐色を呈し、地上に掘り出したり傷つけたりすると淡紅色に変わる。
外皮は剥げにくく、内部は薄い隔壁に囲まれた微細な空隙を生じてスポンジ状を呈し、幼時は純白色で弾力に富むが、成熟するに従って次第に黄褐色ないし黒褐色に変色するとともに弾力を失い、最後には粘液状に液化する。
胞子は楕円形で薄壁・平滑、成熟時には暗褐色を呈し、しばしば1-2個の小さな油滴を含む。担子器はこん棒状をなし、無色かつ薄壁、先端には角状の小柄を欠き、6-8個の胞子を生じる。
シスチジアはなく、子実体の外皮層の菌糸は淡褐色で薄壁ないしいくぶん厚壁、通常はかすがい連結を欠いている。子実体内部の隔壁(Tramal Plate)の実質部の菌糸は無色・薄壁、時にかすがい連結を有することがある。
子実体は春および秋に、二針葉マツ属の樹林で見出される。通常は地中に浅く埋もれた状態で発生するが、半ば地上に現れることも多い。マツ属の樹木の細根に典型的な外生菌根を形成して生活する。先駆植物に類似した性格を持ち、強度の攪乱を受けた場所に典型的な先駆植物であるクロマツやアカマツが定着するのに伴って出現することが多い。既存のマツ林などにおける新たな林道開設などで撹乱された場所に発生することもある。
安全かつ美味な食用菌の一つで、古くから珍重されたが、発見が容易でないため希少価値が高い。現代では、マツ林の管理不足による環境悪化に伴い、産出量が激減し、市場には出回ることは非常に少なくなっている。栽培の試みもあるが、まだ商業的成功には至っていない。その値はマツタケに相当するそうだ。[ウイキペデイアから ]
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