ちがさき丸ごと博物館

九代目市川団十郎

名称 九代目市川団十郎 別名
所在地 平和町
概要 歌舞伎俳優である九代目市川団十郎(1838~1903)が1896年2月に茅ヶ崎小和田海岸に別荘用地6000坪を購入し、翌年6月に上棟式を行った。わざわざ東京黒門町の棟梁清水惣吉を呼び寄せ、12万円余の巨費を投じて、「紙幣を敷き詰めて、その上に座っているようだ」といわれた贅沢な普請をしたのである。敷地内にあった「からかさ松」と呼ばれた一本松にちなんで別荘は「孤松庵」と命名された。当初は、茅ヶ崎駅も開設されておらず、藤沢駅から俥で行くほかはなかったが、その不便さも、世俗のわずらわしさから離れて静養することを望んでいた団十郎には好ましかった。茅ヶ崎に行くときは、二等車を買い切りにし、大船駅でハム・サンドイッチを買うのを何よりの楽しみにしていたという。
団十郎は「芝居がなければ茅ヶ崎で暮らす」といわれるほど、茅ヶ崎を愛した。年末年始や盛夏を中心に年の半分は別荘ですごしたようである。ここで団十郎は釣りに興じ、浜の網主として大漁のときには祝いに手拭いを染めたという。また晩年の衰弱したからだにもかかわらず、弟子や次代の名優六代目尾上菊五郎に厳しい稽古をほどこした。
1903年9月13日、その死を迎えたのも茅ヶ崎の別荘であった。 [茅ヶ崎市史ブックレット⑨ 近代茅ヶ崎の群像 ]
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