ちがさき丸ごと博物館

キツネに化かされた漁師

名称 キツネに化かされた漁師 別名
所在地 南湖5丁目
概要 昔、南湖下町の住吉神社はウブスナ様と呼ばれる小さなほこらがあるだけの神社でした。その神社は昼でも薄暗い大きな松の林に囲まれた中にありました。この松林には、みみずくやふくろうなどの鳥が住み、またキツネやタヌキなどのけものも住んでいました。そのキツネやタヌキたちはときどきたいそう悪いいたずらをしては村人を困らせました。そのころ南湖の村人たちは海で魚を獲り、田や畑を作って暮らし、海では地曳網にたくさんの魚がかかりました。ある日、太刀魚という名の魚がたくさん獲れた時のことです。ビクに、獲れたばかりの魚を入れた、ある漁師が神社近くを通りかかると、なんと大名行列が通りかかっているではありませんか。この道は大名行列など通るはずはない道なのです。その漁師のおじさんは、変だなーと思いながらも道端に座り、頭を下げて行列の通り過ぎるのを待ちました。でも漁師のおじさんはこの行列がとても気になったので、そうっと頭を上げて見上げると、行列のお侍さんたちは、皆立派な銀のきせるを口にくわえていました。殿様も家来衆も皆銀のきせるをくわえています。漁師のおじさんは、ずいぶんお金持ちの大名だなあと思いました。行列が通り過ぎてしまったので、立ち上がるとビクが軽いのに気が付きました。ビクを見ると中には一匹も魚がありません。そして行列が通り過ぎた先の方を見るとキツネが魚をくわえて逃げていくのが見えました。漁師のおじさんが侍だと思ったのは実はキツネが化けた侍だったのです。
侍がくわえていた銀のきせるは、おじさんの獲ってきた太刀魚だったのです。漁師のおじさんは、キツネに化かされ、そのうえ獲れた魚まで持っていかれ、肩を落としながら軽くなったビクを引きずり家に帰って行きました。
[茅ケ崎市史③ 民俗編 第七章伝説と俗信   (根)]
イメージ