ちがさき丸ごと博物館

オオハナワラビ

名称 オオハナワラビ 別名
所在地 北部丘陵地
概要 熱帯地方の森の映像がテレビで映し出されると、必ずといっていいほどシダが画面に現れます。今から数億年前の古生代に大森林をつくった大形の木生シダは、今は石炭となって残っていますが、現生のシダはほとんどが小形の草木です。日本には数百種が自生し、茅ヶ崎市内では約80種が確認されています。オオハナワラビは、優しい姿をした高さ30cmくらいの小さなシダです。秋に新葉を地上に出し、春には地上部が枯れてしまう冬緑性のシダで、他の多くの植物とは生活サイクルが違っています。若芽を食用にするワラビとは仲間が異なるハナワラビ科の多年草で、シダなのに花の穂をつけているように見えるので、この名が付いたのでしょう。直立して花穂のように見える部分は胞子葉といい、子孫を増やすための胞子をつけています。光合成をしてでんぷんをつくる栄養葉は、葉縁が深く3回ほど切れ込み、横に開きます。市内では、北部丘陵地の林に1ヶ所、オオハナワラビの小さな群落があります。神奈川県内には広く分布していますが、数は少なく、湘南地区における数少ない生育地の1つといえるでしょう。そこは適度に管理された林で、大形の草はなく、少し湿っています。シダは水のある所で生殖する比較的原始的な植物の1つです。湿った所が大好きで、多くの胞子をつけて地下茎を伸ばし、たくましく生きていますが、開発や谷戸の埋め立てにより、シダの生育地が減少しつつあります。この環境はぜひ後世に残したいものです。ハナワラビ科には、ほかにフユノハナワラビ、ナツノハナワラビなどがあります。やや日当たりの良い所を好むフユノハナワラビは、市内各地に見られますが数は少なく、ナツノハナワラビは1ヶ所でしか確認していません。オオハナワラビが初冬の林床に凛として立っている姿には、優雅さが感じられます。
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