ちがさき丸ごと博物館

クロマツ(マツ科)

名称 クロマツ(マツ科) 別名
所在地 鶴嶺八幡社参道・茅ケ崎海岸一帯
概要 湘南海岸の風景は、砂丘に映えるクロマツの美しさから「白砂青松」とたたえられてきました。クロマツは砂浜や岩上に生育し、潮風に強い性質があるので、海岸の砂防林や東海道の松並木として植えられています。市内では、鶴嶺八幡社参道の松並木が市指定の天然記念物として保存されています。市北部では、木材用にヒノキやスギなどとともに植林されていました。クロマツの枝を見ると、枝先部分に葉が多く付いていることが分かります。これは、クロマツの葉が生えてから3年くらいたつと落葉するためです。この落ち葉は枝とともに燃料に使われていました。赤羽根、甘沼、香川にある砂丘地を通っている大山街道の辺りは、昭和20年代には多くの松林がありました。クロマツ、スギ、ヒノキなどの針葉樹は、広葉樹よりも古くから地球上に生育し始めたようです。茎や葉の構造を見ると原始的な仮導管(導管と同じ働きをする水の通り道)があり、被子植物に対し、種子になる前の大切な胚珠(めしべの中にあり受精して種子になる細胞)が子房に包まれていないので、クロマツは裸子植物に分類します。花が咲く植物のうちでも、この仲間は少し原始的な部分を残しているようです。クロマツ(オマツ)の葉は、針状の葉が2本、束になっているのをよく目にします。先端は鋭く尖り、触れると痛く感じますが、アカマツ(メマツ)の葉の先端は触れてもあまり痛くありません。雌花は新枝の頂部に2〜4個付き、雄花はその新枝の基部に多数付きます。受粉した雌花では2年目の秋までに球果(松ぼっくり)のりん片の内側に2個の種子が育ち、翼を付けた種子が飛び散ります。クロマツの名は、アカマツに比べて樹皮が黒っぽいことによりますが、生育が進むと樹皮が亀甲状に厚くはがれやすくなります。木材としては、粘りが強く光沢が出るので、日本家屋の部材などによく利用されていました。幹や葉には松やにが多く含まれていて、幹に切り傷を付け採取したやにはテレピン油や松根油に加工され、薬品類や工業用に幅広く利用し、葉は日本瓦を焼くときに利用(いぶし瓦の表面に炭素を定着させるのに用いる)したそうです。クロマツは、さまざまな用途に用いられるほか、日本庭園の主木、正月の門松、盆栽など、日本では大変なじみ深い樹木として親しまれています。
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