ちがさき丸ごと博物館

五輪塔(龍前院)

名称 五輪塔(龍前院) 別名
所在地 浜之郷356
概要 昭和62年4月17日、市重要文化財指定。浜之郷にある龍前院(曹洞宗)には、市指定の重要文化財が3件あります。その1つである五輪塔は、高さが1メートル50センチほどあり、市内では最大です。塔は、本堂の西側に広がる墓地の北西側に、南に面して横1列に10基並んでいます。これは造立当初の姿ではなく、昭和55年に移築したものです。さらにそれ以前には、南北方面に1列に並んでいたようです。比較的大型の五輪塔が10基も造立されている例は県内でも珍しく、並んでいるさまは実に堂々としています。
 五輪塔は、方形、球形、方錘(ほうすい)形、半球形、宝珠形に形づくった石を積み上げます。これは、地、水、火、風、空を表すもので、密教では、この5つを万物の構成要素としています。全国的には平安時代末期頃から現れ、死者の供養や死んだ後の自分の平安を願い、実におびただしい数の塔が作られました。龍前院にある10基の塔は、『新編相模国風土記稿』の龍前院の項に、「五輪塔十基 二階堂十人墓と称す。其縁故を伝えず」と記載されています。二階堂氏は鎌倉時代の半ばごろ、懐島氏のあとを取って、懐島(ふところじま)郷(円蔵・西久保・浜之郷の辺り)を治めた武将です。このほかにも「薩摩藩主島津家の祖先の墓」などの伝承があります。このように、かつてはこれらの塔は鎌倉期のものとされてきました。しかし、昭和60年度に県立博物館の斎藤彦治氏に委託して行った調査では、10基が同時に造立されたものではなく、鎌倉時代から南北朝時代初期にかけて1基ずつ間をおいて建てられたものではないかとみられています。本来、五輪塔は10基以上存在していたと思われますが、一部が欠失して現在の10基になったようです。また、その過程では、積み間違いや混入があったのではないかと考えられています。現存のもので、確実に一具と考えられているものは、一番西側の1基だけです[ちがさき丸ごと博物館ガイドブック(文化財編)  ぶらり散歩 郷土再発見  ]
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