ちがさき丸ごと博物館

チガヤ(イネ科)

名称 チガヤ(イネ科) 別名
所在地 北部丘陸地、沖積低地、海浜
概要 日当たりのよい草地に群生するイネ科の草本です。ススキよりは小型で葉も柔らかめですが、高さは50cmほどになります。海辺や土手などの乾燥した草地では、茎の節に白毛がある変種フジゲチガヤが生息します。北部の湿地には、茎の節に毛のない変種ケナシチガヤがみられます。春から初夏にかけて、茎の先に7~10cmの花穂(かすい)を出します。花穂は光沢のある白色で、群生地では白い穂が風にたなびき、とても美しい景色になります。花穂はツバナとも呼ばれます。若い穂は甘味があり、茅ヶ崎でも昔は子供たちがおやつ代わりに噛んでいたそうです。晩秋には葉が赤く色づき、草紅葉となります。晩秋の景色も、初夏の景色に劣らず美しいものです。「茅ヶ崎町鶴嶺郷土誌」(*1)のチガヤの解説には、「・・茅ヶ崎の名に負う・・」という記述があり、チガヤが茅ヶ崎の名の由来になった植物として記述されています。ただ、。「茅ヶ崎町鶴嶺郷土誌」の記述が何をもとにして書かれたのかは不明です。
*1・・・昭和3年(1928)1月に茅ヶ崎町立鶴嶺尋常高等小学校により手書き原稿としてまとめられ、昭和51年(1976)に茅ヶ崎市資料館の「資料館叢書2」として刊行された。[]チガヤは、河川の土手や野原、海浜の草原などの日当たりが良く乾燥した環境に群生して生える多年生のイネ科の植物です。名前はあまりなじみがありませんが、市内では丘陸地、沖積低地、海浜と広い範囲でよく見られます。チガヤの若い花穂(かすい)の部分をツバナといい、チガヤの古名をチ(茅)ということから、チバナが変化してツバナ(茅花)になったといわれます。細く白い節のある地下茎は長く地中を横にはい、早春、その先端部は地上に芽を出します。このころの花穂(ツバナの時期)は、さやがまだ破れず、やりの穂先に似ています。2、3枚の葉は綿形で、成長すると長さ約30センチ、茎は高さ50センチほどになります。春から初夏にかけて、茎の先に長さ7〜10センチの花穂を1本出し、小穂(しょうすい)には柔らかで白い絹のような毛が多く、熟した花穂は毛に包まれた尾状になります。茎の節に白毛があるものをフシゲチガヤと呼び、白毛のないものをケナシチガヤといいます。茅ヶ崎でよく見られるのはフシゲチガヤで、チガヤは、日本全域、アジア、ヨーロッパなど広く分布しています。チガヤはサトウキビの近縁種で、地下茎は甘みが強いので、甘根(あまね)と呼んでいました。地下茎は、漢方薬の茅根(ぼうこん)で、出血、利尿、発汗の作用があるといいます。またツバナは野焼きの跡地に多く出て、指でつまんで上へ引くと軽い音がし、気持ちよく抜けます。河川敷などでは、夏鳥のセッカが、チガヤの白色の穂綿(ほわた)やイネ科の植物の葉などを利用して、徳利型の巣を作ります。春もたけなわになると、ツバナは、さやからふわふわした銀白色に光る尾状の花穂を付け、遠くから眺めると美しく風になびきます。また、夏から秋にかけて葉が赤く色づきます。
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